構造を軸に、現代へ
長谷川 愛弥
hasegawa maya大阪府
大阪府
帯を装飾ではなく“構造”として再定義する「帯クチュール」を展開。
日本の伝統美を現代ファッションへと昇華し、和と洋を融合させた装いを提案しています。
帯クチュールを軸としたコレクションを国内外で発表しています。
パリでのショー開催をはじめ、日本の伝統美を現代ファッションへと再解釈し、和文化・アート・空間演出を融合させた独自の表現活動を行っています。
展示会・試着会・撮影・ポップアップなどに活用できる「レンタルスペースLino」を運営しています。和モダンsuiの世界観を体感できる空間としても活用し、人とブランド、人と感性をつなぐ場づくりを行っています。
幼い頃から、絵を描くことや服に触れることが大好きだった。
母は服を作ることができ、「こんな服が欲しい」と伝えると、実際に形にしてくれる環境が身近にあった。
そのため、“服は買うもの”というより、“つくれるもの”という感覚が自然と根付いていた。
小学生の頃から、自分で服のデザインを描いたり、「こんなものがあったら素敵だな」と想像する時間が好きだった。
今振り返ると、この頃からすでに“自分だけの世界観を形にしたい”という感覚が芽生えていた。
高校時代、周囲はテストや成績、決められた進路に向かって努力していた。
けれど、その姿を見ながら、「この競争を続けていく人生には進みたくない」と感じていた。
誰かと比べられる世界ではなく、“自分にしか生み出せないもの”で生きていきたい。
その感覚は、やがて“構造“として形になっていく。
この頃、「服づくりの道へ進む」と決意。
絵を描くことやファッションへの興味を、自分の人生へつなげようと決めた。
高校卒業後は服飾短大へ進学し、その後、専門学校へ編入。
デザイン、縫製、パターンなど、服づくりの基礎を徹底的に学んでいく。
“唯一無二の世界観をつくりたい”
その想いは学生時代から変わらなかった。
単に流行を追うのではなく、「自分にしか表現できないもの」を模索し続けていた。
卒業後は企業デザイナーとしてアパレル業界へ進む。
デザイナーとして働きながら、「もっと服づくりを深く理解したい」と考え、パタンナー業務も兼任。
昼はデザイナー、夕方からはパタンナーとして終電まで働く生活を続けていた。
しかし、20年以上アパレル業界に身を置く中で、大量生産・大量消費の構造にも違和感を抱くようになる。
服は華やかに見える一方で、その裏側では多くの人が疲弊している。
「誰も幸せになっていない構造を変えたい」
その想いが、後の活動へつながっていく。
活動の転機となったのは、着物を使ったオーダーメイド依頼だった。
そこから、“着物を現代の感覚で自由に取り入れる”表現を模索し始める。
ただ、目指していたのは単なる「着物リメイク」ではなかった。
着物文化の中で脇役として扱われてきた“帯”に着目し、その存在を再定義しようと考える。
帯を“装飾”ではなく、“構造”として捉える。その概念に名前を与えた。
「着物リメイク」という既存カテゴリーではなく、自ら新しいカテゴリーを生み出そうとしていた。
それが「帯クチュール」という定義だった。
和モダンsuiとして活動を続ける中で、その独自の世界観は海外からも注目されるようになる。
フランスでのファッションショー開催や、海外アート雑誌への掲載など、活動の場は世界へ広がっていった。
海外では、作品を「伝統工芸」ではなく、“彫刻的で構築的なアート”として評価された。
その評価を通して、自身の表現は「構造を持つアート」へと明確になっていった。
服だけではなく、空間、雑誌、アート、表現すべてを通して、“美学そのもの”を、表現として提示しようとしていた。
現在は、帯クチュールを軸にオーダーメイド制作、ファッション表現、空間演出、展示活動などを展開している。
根底にあるテーマは、「自分らしさを取り戻すこと」。
SNSの“いいね”やアルゴリズムに流されるのではなく、自分の感覚で選び、自分の美意識で生きる。
その感覚を、服や空間を通じて伝え続けている。
フランスでのファッションショーや海外雑誌での発信、さらにカンヌでの活動など、表現の場は国内外へ広がっている。
海外では、“着物リメイク”ではなく、「構築的なアート」「彫刻的な表現」として作品が評価され、日本文化を新しい視点で再解釈する存在として注目を集めている。
また、無人ショールームや体験空間なども、「誰かに選ばされる」のではなく、“自分で選ぶ”ことを大切にした表現の一つ。
帯を主役にすることは、人生の主役を自分に戻すこと。
そんな哲学を軸に、「帯クチュール」という新たな価値を発信し続けている。
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