Profile
人の想いをサービスの力に変え、世界に誇れるおもてなしを育てる。
株式会社Bacchus Japan

橘 えりこ

Tachibana Eriko

戦略コンサルタント / セラピスト / 事業開発 / ブランディング

東京都

MESSAGE 私の想い
国内外のスパと美容の現場で、施術者、店長、事業責任者として経験を重ねてきました。そこで学んだのは、良い技術や商品だけでは、サービスは長く続かないということです。お客様の体験を設計し、スタッフが力を発揮できる環境を整え、数字へつなげる。そのすべてが揃って初めて、事業の価値になります。 大きな災害の中で店舗と仲間を守った経験は、経営の本質を考える転機になりました。状況が厳しい時ほど、目の前の人の不安を受け止め、次の行動を示すことが必要です。現場の声を起点に仕組みを整える姿勢は、現在のコンサルティングにも息づいています。 株式会社Bacchus Japanでは、美容・スパ事業の立ち上げ、運営改善、教育、海外展開まで伴走しています。日本で育まれてきた細やかな心配りを、働く人の誇りと持続可能な事業へつなげ、世界へ届けることが目標です。
ACTIVITIES 活動内容について

美容・スパ事業プロデュース

コンセプト、メニュー、空間、接客、収支、運営導線まで、美容・スパ事業に必要な要素を一体で設計します。見た目の美しさだけではなく、ブランドの思想や世界観がお客様の体験として一貫して伝わることを重視。現場で実行でき、継続的な売上と信頼を育てられる事業へ導きます。

店舗運営・組織づくり・人材育成支援

経営者と現場スタッフへのヒアリングを通じて、店舗の強みと課題を整理し、売上、顧客満足、働きやすさを両立する運営体制を整えます。接客・販売の基礎から、店長や管理職のリーダーシップまで実践型の研修を設計し、スタッフがサービスの価値を理解して、自ら考え行動できる組織を育てます。

海外展開・ブランド支援

国内外でのスパ経験をもとに、日本の美容サービスやおもてなしが、文化や商習慣の異なる市場でも正しく伝わる形へ整えます。進出先に合わせたブランド設計、サービス品質の基準づくり、人材育成、現地での運営体制までを支援し、世界観を損なわずに事業を育てる海外展開の基盤をつくります。

MY STORY 私の物語
PHASE1 幼少期 ― 兄と弟に囲まれ、観察力と好奇心を育てる

東京で、兄と弟に挟まれた3人きょうだいの真ん中として育った。父は建築士、母は公立保育園の保育士。共働きの両親は、子どものやりたいことを過度に縛らず、自由に挑戦させてくれた。兄が先に叱られる姿を見て、「これはしてはいけないのだな」と学ぶことも多かった。前へ出るより、まず周囲をよく見てから動く、少し引っ込み思案な子どもだった。

家では兄や弟と野球やサッカーをし、小学校へ上がるとドッジボールに夢中になった。身体を動かすことが好きな一方で、本を読み、物語の世界へ入り込む時間も好きだった。絵を描くことより、色の組み合わせやデザインを見ることに心を引かれた。今思えば、父が形にしていた空間の美しさと、母が大切にしていた人へのまなざし。その両方を、日々の暮らしの中で受け取っていたのだと思う。

活発さと慎重さ、運動と読書、構造を見る目と人の気持ちを感じる力。一見、別々に見えるものが、幼い頃から私の中に同居していた。面白そうだと思えば外へ飛び出すけれど、自分だけが楽しければいいとは思わない。周囲がどう感じ、どうすれば一緒に楽しめるのかを考える。この感覚は、後に空間を設計し、チームを育て、お客様の心が動くサービスをつくる仕事の土台になった。

PHASE2 小学校高学年から中学時代 ― チアで知った、心を一つにする力

小学校高学年からチアに打ち込んだ。所属したのは全国大会で優勝を目指す強豪チームで、小学生であっても練習は厳しかった。一人の動きが少しずれるだけで、演技全体が崩れてしまう。技術を磨くだけでなく、音と呼吸を合わせ、仲間を信じて身体を預けることが求められた。苦しい練習の先で全員の動きがぴたりと重なった瞬間には、一人では決して味わえない喜びがあった。

大会での優勝を経て、中学では学校外のプロチームにも参加した。パレードやテレビのバックダンサーなど、人前で表現する機会も増えた。同時に学校ではバドミントン部に所属し、勉強と活動を両立した。女子の集団には、気持ちのすれ違いや難しさもある。それでも、同じ目標を掲げ、互いの役割を理解し、声をかけ合えば、個人の力を超えたものが生まれることを身体で覚えた。

私が今も大切にしているのは、自分だけが成功することではなく、仲間と「やったね」と言い合えることだ。誰か一人の才能で勝つのではなく、それぞれが磨かれ、バトンをつなぎ、最後に全員で喜ぶ。会社の理念に「関わる人すべてと祝杯を交わす」という思いを込めた根底にも、チアで得たこの感覚がある。組織づくりや人材育成に情熱を注ぐ原点は、仲間と一つの演技を完成させた日々にある。

PHASE3 高校時代 ― 初めてのゼロイチと、美を届ける小さな商い

高校へ進んでも身体を動かしていたくて、友人を集め、自分でチアの部活動を立ち上げた。けれど、情熱だけでは人は同じ方向へ進まない。次第に気軽に遊ぶための集まりとなり、思い描いたチームにはできなかった。人を集めることと、組織として継続させることは違う。初めてリーダーシップを取ろうとして、まとめ切れなかった経験は、後に人を育てる仕事へ向き合う時の大切な出発点になった。

同じ頃、色やデザインへの関心から、ネイルチップを作り始めた。自分の爪に施したデザインを見た友人から「私にも作ってほしい」と頼まれ、希望を聞き、色や形を考え、値段をつけて販売した。小さな取り組みだったが、相手のイメージをくみ取り、自分の感性と技術で形にし、喜んでもらう。現在のプロデュースやコンサルティングにつながる仕事の原型を、高校生の私は自然に経験していた。

中学を卒業する頃からは街で声をかけられ、読者モデルとして雑誌に載るようになった。高校時代には複数の芸能事務所から誘いを受けたが、公務員だった両親から「卒業してから」と言われ、その約束を守った。外からは華やかに見える世界へ心が動く一方で、美容を通して人に直接触れ、変化を生む仕事にも惹かれていた。卒業後、どちらか一つを選ぶのではなく、芸能活動とエステティシャンの仕事を同時に始めた。

PHASE4 20代で海外へ ― 表現と美容、2つの世界で可能性を広げる

芸能活動では、モデルを中心に、CMやテレビの再現映像などさまざまな仕事を経験した。エステの仕事はシフトを調整し、撮影のない日にサロンへ立った。カメラの前では、短い時間で求められる世界観を表情や身体で伝える。施術では、目の前のお客様の状態を手で感じ、言葉にならない希望をくみ取る。一見異なる2つの仕事だったが、どちらも相手の心を動かす表現の仕事だった。

芸能の仕事が忙しくなると一度エステを離れ、その後、海外で暮らすことを決めた。英語を身につけ、自分の視野を広げたい。働くことも学ぶこともできる制度を利用し、1年間、現地のホテルスパで働きながら、観光雑誌のモデルも務めた。言葉や文化が異なっても、美容の技術と表現する力があれば仕事につながる。その実感は、環境が変わっても自分の経験を組み合わせれば道をつくれるという自信になった。

海外に出たことで、日本の接客や細やかな気配りを外側から見ることができた。同時に、自分の常識だけでは伝わらないこと、異なる文化の中では相手をよく見て方法を変える必要があることも知った。帰国後にホテルスパの道を選んだのは、施術だけでなく、空間、接客、チーム、ブランドが一体となって生まれる体験をもっと深く学びたかったからだ。いつかは起業したいという思いも、この頃から心の中に芽生えていた。

PHASE5 帰国後・ホテルスパ時代 ― 店舗を立ち上げ、人と仕組みを学ぶ

帰国後はホテルスパを運営する企業に入り、最初から新店舗の立ち上げに関わった。京都で開業の流れを学び、東京のホテルを経て、仙台の新しいホテルスパでは責任者を任された。採用、教育、技術、集客、売上管理まで、店舗が形になる前から営業が軌道に乗るまでを担った。備品や動線を整えるだけでは店は動かない。そこで働く人がサービスの意味を理解し、同じ基準でお客様へ届けられて初めて、ブランドになると学んだ。

立ち上げは、予定通りに進まないことの連続だった。スタッフごとに得意なことも、仕事への温度も異なる。自分ができるだけでは足りず、相手ができるようになる伝え方を考え、数字が届かなければ原因を一つずつほどかなければならない。高校時代、チアの仲間をまとめ切れなかった経験があったからこそ、今度は情熱だけに頼らず、人と仕組みの両方を見ることを意識した。店舗が育ち、スタッフの表情が変わることに、施術とは違う喜びを感じ始めた。

転勤や出張で各地を巡る一方、将来は一つのサロンにとどまらない形で起業したいと考えていた。現場を知り、経営も理解するため、20代は大量のビジネス書を読んだ。技術、接客、教育、数字を別々に学ぶのではなく、いつかすべてをつなげたい。そんな思いを抱きながら仙台の店舗を立ち上げ、売上が伸び始めた矢先、開業から半年ほどで東日本大震災に直面した。

PHASE6 東日本大震災 ― 売上の責任者から、命の責任者になる

その日は仙台で、スタッフと昼食を取っていた。激しい揺れで、目の前の食事が一瞬で消えたように感じた。街全体が停電する中、新しいホテルには非常用電源があり、周囲で唯一、明かりがついていた。助けを求める人々が次々と押し寄せ、ホテルは避難場所のようになった。本部との連絡も途絶え、スタッフを帰宅させるのか、館内に残すのか、どちらが安全なのかを自分で判断しなければならなかった。

それまで私は、売上やシフトの責任者だった。けれど、その瞬間から「命の責任者」になった。正解を教えてくれる人はいない。それでも決断し、指示を出し、不安に震える人の前に立たなければならない。混乱の中では、誰もが普段の心の余裕を失う。そんな時にも人のためにどう在るのか、管理職とは何を引き受ける立場なのかを、恐怖の中で問い続けた。この経験がなければ、今の私は経営者になっていなかったと思う。

一度東京へ戻った後も、早い段階で仙台へ戻り、店舗の再開と立て直しに取り組んだ。お客様が戻らない時期を越え、スタッフとともにサービスを立て直し、売上が安定するところまで見届けた。逆境は、ただ耐えるものではない。状況を整理し、今できることを見つけ、人の力を信じて一歩ずつ動けば、再び立ち上がれる。後にコロナ禍で起業する決断ができたのも、この時に「ピンチの中にも、次の可能性はある」と知ったからだった。

PHASE7 キャリア後半 ― 技術・おもてなし・セールスを一つにつなぐ

震災後の立て直しを評価され、本部では全国のホテルスパを支える立場となった。技術教育を統括しながら、営業部門のマネジメントも担当し、各地の店舗を巡って人を育て、売上を改善した。それでも、管理するだけでなく、もう一度自分の手で最高水準の施術を追求したいという思いが強くなった。役職者としての採用を勧められても断り、難関選考を経て、国内有数のラグジュアリーホテルへ一人のセラピストとして入った。

そこには、高い技術を持つ仲間と、世界中から訪れるお客様がいた。著名人や海外の要人であっても、施術台に横になれば、目の前の一人のお客様であることに変わりはない。技術の上手さだけでは、人の心までは満たせない。言葉、所作、空間、相手の期待を超える気づきまで含めてサービスになる。最高水準の現場で仲間と切磋琢磨し、「技術だけでは足りない」という事実を学び直した。

次に必要だと考えたのは、価値を正しく伝え、選んでもらうセールスの力だった。独立前の市場調査として企業の面接を受ける中、東日本大震災で救助の指揮に携わった経験を持つ女性管理職と出会った。「あの時、私たちを助けてくれた人だ」と感じ、条件を聞く前に、その人のもとで働くことを決めた。美容メーカーでは、技術指導、商談、プレゼンを重ね、論理だけでなく熱量を言葉に乗せる力を磨いた。上司から学んだ、部下を責める前に責任を引き受ける覚悟は、今の人材育成の核になっている。

PHASE8 コロナ禍の起業から現在 ― 心を置き去りにしない経営を、世界へ

美容メーカーを退職し、時間をかけて起業準備を始めようとしていた頃、コロナ禍が始まった。知人から「経営に困っているサロンがある」と相談を受け、複数店舗の組織づくり、教育体制、売上改善を任された。先が見えない時期だからこそ、困っている人を置いて準備だけを続けることはできなかった。「人を助けないで、何のために生きているのか」。自分にそう問い、予定を早めて株式会社Bacchus Japanを立ち上げた。

最初の支援では、ばらばらだった組織構造を整理し、今できることとリスクを見極め、必要な仕組みと教育を一つずつ整えた。コロナ禍でも売上と運営は安定し、支援を終えた後も店舗網は大きく広がった。この実績から紹介がつながり、現在は美容・サービス業のコンサルティング、人材育成、店舗運営、スパプロデュースを一体で支援している。豪華客船では「旅の目的地となるスパ」を掲げ、技術、空間、制服、音響、施術時間に合わせた音楽まで、体験のすべてを設計した。

売上を上げることは大切だが、その過程で心が置き去りになれば、ビジネスは人を幸せにしない。私が信じているのは、「どこまで行っても、心がすべて」ということだ。人に喜んでもらうために磨いた技術、言葉、仕組みが、結果として利益を生む。これからは協会活動も通じ、個人サロンが学び合い、支え合える場を育てていく。日本のおもてなしを精神論で終わらせず、技術と仕組みに変え、その思いと心ごと海外へ届けたい。関わる人すべてと祝杯を交わせる未来を目指している。

WORKS これまでの実績

株式会社Bacchus Japan 代表

美容・スパ施設の新規立ち上げ、運営改善、事業プロデュース

ラグジュアリーホテルスパの運営・マネジメント

美容サービス企業の接客・販売・管理職研修

一般社団法人東京リビルド協会での活動

Feel The Earth®を通じたウェルネス提案

Private Q&A 一問一答
Q1. 人生で、大きな分岐点は何でしたか?

東日本大震災の時、運営していたスパでスタッフとお客様の安全を守り、事業を立て直した経験です。現場に立つリーダーの判断と、組織を支える仕組みの重要性を深く学びました。

Q2. あなたにとって仕事とは?

現場を知らずに答えを出さないことを大切にしています。お客様、スタッフ、経営者それぞれの視点をつなぎ、サービスの価値が売上と働きがいの双方に結びつく仕組みをつくります。

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