自然に整う食を広げる。
小川 友梨
ogawa yuri秋田県
秋田県
GOCHISOKOJIでは、米麹や野菜、天然塩などを使った無添加の発酵調味料を開発・販売しています。家庭でも手軽に使えることを重視し、「これ一つで味が決まる」というシンプルさと美味しさを両立させている点が特徴です。
この調味料は家庭用にとどまらず、給食や保育園、飲食店、ホテルといった実際の食の現場にも導入されています。日常的に使われる環境で評価されていることが、商品の信頼性と実用性の高さを裏付けています。
商品を販売するだけでなく、発酵の魅力や体にやさしい食のあり方についての情報発信も行っています。無理をしなくても続けられる健康的な食生活を広めることを目的とし、発酵をより身近なものとして伝えています。
料理は特別なことではなく、生活の一部。祖母の手伝いから始まり、市販の調味料も使いながら、できる範囲で食卓を整えていく日々だった。
目立つタイプではなく、一人で過ごすことが多い性格。
そんな中でも、「食」は自然と自分の役割として根付いていった。
シングルマザーとして子育てと仕事を両立する生活が始まる。
事務職として働きながら、日々をこなすことに精一杯の毎日。
起業や挑戦とは無縁に見える現実の中で、「できることは限られている」という感覚も強かった。
子どもがアレルギーやアトピー、喘息を抱え、入退院を繰り返す。
その状況の中で、「自分にできることは食事しかない」と考えるようになる。
独学で食を学ぶ中で出会ったのが麹だった。
ここから、食との向き合い方が大きく変わっていく。
塩麹をきっかけに、野菜を取り入れた麹調味料を自宅で試作。
配合を変えながら、家族が無理なく食べられる形を模索し続けた。
もともと健康志向ではなかったからこそ、
食を変えることで子どもの体調が安定していく変化は、確かな実感として積み重なっていった。
子どもが成長し、少し手が離れたタイミングで起業塾に参加。
そこで問われたのは、「自分は何で勝負するのか」ということだった。
資格も実績もないと思っていた中で見つかったのが、
15年間続けてきた麹づくりだった。
生活の中にあった経験が、初めて“価値”として言語化された瞬間だった。
自宅で作っていた調味料は、研究機関とともに商品化へ。
課題を一つずつクリアし、約半年で販売に至る。
さらに新聞掲載をきっかけに給食センターへ提案。
採用を起点に口コミで広がり、複数の学校へ導入されていった。
家庭の中の工夫が、社会の食へと広がっていく。
この取り組みの本質は、麹を広めることだけではない。
体にいい食が、特別なものではなく、当たり前にある状態をつくることにある。
手軽で、おいしく、無理なく続けられること。
その積み重ねが、次の世代の食の土台になっていく。
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