新しい住まいの選択肢を
増田 早紀
masuda saki兵庫県
兵庫県
「Tsumuie」を通じて、家賃を積み立てながら将来的に住まいを引き継ぐ、新しい住宅モデルを提案しています。
“賃貸でも持ち家でもない”新しい暮らし方として、無理なく自分らしく暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
空き家や既存物件を活用し、新しい価値を生み出す住まい・空間づくりを行っています。建築・不動産・デザインの視点を掛け合わせながら、“暮らし方”そのものを提案しています。
「すずらんテラスSOTTO」を通じて、人と地域が自然につながる交流の場づくりを行っています。
シェアアトリエやコミュニティ空間として、地域の人々や挑戦する人たちが集まり、新しいつながりや活動が生まれる環境づくりに取り組んでいます。
岡山の自然豊かな地域で育ち、幼い頃から工作やものづくりが大好きだった。
秘密基地をつくったり、手を動かして何かを形にする時間が日常だった。
実家は歯科診療所を営んでおり、幼少期から両親が働く姿を見ながら育つ。
診療所の隣で遊びながら、石膏を触ったり、空間や道具に自然と興味を持っていた。
また、父や祖母は美術館や建築、骨董品が好きで、幼い頃から“美しい空間”や“デザイン”に触れる環境があった。
この頃から、“空間をつくること”への感覚が少しずつ育っていった。
中高一貫の女子校へ進学し、毎朝始発電車に乗って通学していた。
部活動ではバドミントンに打ち込み、早朝から練習を重ねる日々。
厳しい練習の中でも、仲間と支え合いながら努力を積み重ねていた。
競技を通じて、“一人ではなく誰かと力を合わせること”の大切さを学んでいく。
現在の「挑戦する人を支えたい」という想いの原点には、この頃の経験もつながっている。
高校時代は歯学部を目指して勉強に励んでいた。
両親と同じ歯科医の道を考える一方で、心のどこかでは“空間デザイン”への興味も強くなっていく。
「診療所の空間をデザインしたい」
そんな想いから、建築学科も受験。
大学で建築の道へ進み、“人が心地よく過ごせる空間をつくりたい”という感覚に従った選択だった。
大学では建築を学び、設計、模型制作、プレゼンテーションなどに没頭する。
中でも印象的だったのが、学園祭実行委員として携わったお化け屋敷制作。
段ボールで柱をつくり、導線を考え、図面を引きながら空間演出を行った。
“人が体験する空間を、自分たちでゼロからつくる”
その面白さに強く惹かれていく。
また、工学部の仲間たちと協力しながら企画を進める中で、「空間は、人をつなぐ力を持っている」と感じるようになった。
卒業後は、行政の建築職として公務員の道へ進む。
設計だけではなく、公共施設の工事監理、建築指導、不動産相談など、幅広い業務に携わっていた。
「建物だけではなく、“まち”そのものに関わりたい」
そんな想いを持ちながら、実務経験を積み重ねていく。
働きながら一級建築士資格も取得。
女性が長く働き続けられる環境を考え、公務員という道を選んだ背景もあった。
この8年間で、“建築”“制度”“地域”“暮らし”を多角的に見る視点を培っていった。
公務員として経験を積む中で、“もっと挑戦する人を支えたい”という想いが強くなっていく。
そして独立を決意。
その中で生まれたのが、「Tsumuie」という新しい住まいの構想だった。
“家賃を積み立てながら、将来的に住まいを引き継ぐ”
賃貸でも持ち家でもない、新しい住宅モデル。
空き家オーナーと、これから挑戦したい人をつなぎ、“住まい”を挑戦の土台にしたいと考えている。
現在は契約や税制などの仕組みづくりを進めながら、実現へ向けて動き続けている。
現在は株式会社SOTTO代表として、建築・不動産・空間デザインを軸に活動している。
空き家活用、民泊リフォーム、地域交流型アトリエ「すずらんテラスSOTTO」の運営準備など、プロジェクトを展開。
さらに、LED関西では600人以上の応募者の中からファイナリストに選出され、「Tsumuie」構想を発表。
大切にしているのは、“挑戦する人が、安心して前へ進める場所をつくること”。
建築は、ただ建物をつくる仕事ではない。
人の人生や挑戦を支え、未来を育てる“土台”をつくる仕事。
その想いを胸に、新しい暮らしと地域の形を生み出し続けている。
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