Profile
言葉にならない想いを音楽に変え、人と未来を結ぶ。
株式会社オトムスビ/Uina

小川 結奈

Ogawa Yuina

ブランディング / 地方創生 / アーティスト / イベント企画

東京都

MESSAGE 私の想い
音楽は、言葉だけでは届かない想いを運び、人と人の間に新しい関係をつくります。アーティストUinaとして歌う一方、株式会社オトムスビでは、企業や地域が大切にしている価値を聞き取り、音楽として社会へ届けています。 幼い頃からピアノと日記に親しみ、心の中の出来事を音や言葉に変えてきました。思うように進めない時期も、曲をつくり、歌い続けることで自分の道を選び直しました。表現する側だけでなく、誰かの想いを作品へ翻訳する側になったことで、音楽の可能性はさらに広がりました。 現在は、ブランドソング、楽曲提供、イベント、ラジオ、日本酒と音楽を結ぶ活動などを展開しています。一度聴いて終わる曲ではなく、組織や地域の人が繰り返し口ずさみ、誇りを共有できる音楽をつくること。それが私の仕事です。
ACTIVITIES 活動内容について

企業・地域のブランドソング制作

企業や地域が大切にしてきた理念、歴史、商品への思いを丁寧に取材し、歌詞と音楽へ翻訳します。単に耳に残る曲をつくるのではなく、社員や地域の人が繰り返し口ずさむ中で、自分たちの価値や誇りを再確認できるブランドソングを制作。言葉だけでは伝わりにくい魅力を、世代を越えて共有できる形にします。

アーティスト活動・イベント・メディア企画

Uinaとしてのライブやメディア出演に加え、作詞、作曲、歌唱、楽曲提供、司会まで幅広く手がけています。音楽、トーク、地域文化を組み合わせたイベントやラジオ企画では、目的と届けたい相手に合わせて全体を設計。観客、出演者、地域や企業が一方通行ではなく交流し、新しい関係が生まれる場をつくります。

日本酒と音楽の文化発信

日本酒の味わいだけでなく、造り手の思い、土地の風土、長く受け継がれてきた物語を、音楽や言葉とともに発信しています。異なる文化を掛け合わせることで、これまで日本酒になじみがなかった人にも親しみやすい入口をつくり、国内外の人が日本のものづくりと地域文化を五感で楽しめる新しい体験を届けます。

MY STORY 私の物語
PHASE1 幼少期 ― 言葉にできない気持ちを、音とノートが受け止めてくれた

山口県で、妹と弟のいる3人きょうだいの一番上として育った。幼い頃から歌と踊りが好きで、お玉をマイク代わりに握っては、毎日のように歌っていた。将来はテレビの中で輝く歌手になると無邪気に夢見ていたが、初めから飛び抜けて歌が上手だったわけではない。音を外すこともあり、父から歌をやめた方がいいと言われたこともあった。それでも、歌うことだけはやめられなかった。

小学校へ上がると、ピアノとエレクトーンの先生だった叔母からピアノを習い始めた。周りより遅いスタートだったが、鍵盤に触れ、自分の手で音が生まれることがうれしかった。成長する中では、身の回りの変化に戸惑い、うまく言葉にできない思いを抱えることもあった。それでも、子どもなりに目の前の日々と向き合いながら、自分の気持ちを整理する方法を探していた。

胸の中がいっぱいになると、ノートを開いた。うれしさも寂しさも、うまく説明できない感情も、言葉にして筋道をつけ、最後には自分なりの答えへ着地させた。誰かへ訴える代わりに、物語として書き終えることで、心を落ち着かせていたのだと思う。音楽と言葉は、才能を示すためのものではなく、私が私でいるための居場所だった。この習慣が、後に作詞作曲を続ける一番深い原点になった。

PHASE2 中学時代 ― 心から生まれた曲が、初めて社会へ届く

中学生の頃、坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」に心を揺さぶられた。歌詞がなくても情景や感情を伝えられる音楽に出会い、「映画の中で流れるような曲を、自分もつくりたい」と思った。シンガーソングライターを目指していたわけではなく、最初につくったのはピアノによるインストゥルメンタル曲だった。ノートへ書いていた物語が、今度は音の流れになって現れた。

その曲を学校の文化祭で生演奏すると、地元のラジオ局の耳に留まった。改めて録音したいと、何本ものマイクを持って学校へ来てくれ、番組にも出演した。自分の内側から生まれたものが、学校の外にいる人の心を動かし、電波に乗って届いていく。それまで一人で気持ちを整理するためにつくっていた音楽が、誰かとつながる方法にもなるのだと、初めて実感した。

同じ頃から、家のことや年下のきょうだいを手伝う機会が増え、自然と周囲へ目を配るようになった。自分の気持ちを言葉にするのは得意ではなかったが、そんな時に寄り添ってくれたのが、言葉と音だった。日々の中で感じたことを作品として最後まで書き切ると、心が少しずつ整っていった。表現することは、私にとって自分らしさを保ち、前を向くための大切な方法になっていた。

PHASE3 高校時代 ― 学校生活と音楽を両立し、路上とステージで自分の声を探す

高校では新設された芸能コースに惹かれたものの、まだ実績がないことを考え、普通科へ進んだ。それでも芸能コースの先生と親しくなり、勧められたオーディションを受けて、16歳頃に芸能事務所へ所属した。ピアノが弾けて曲もつくれるなら、自分で歌ってみたらどうかと言われたことをきっかけに、曲をつくり、自ら歌うシンガーソングライターとして歩き始めた。

当時の山口ではまだ珍しかった路上ライブを重ね、声をかけてくれたライブハウスでも演奏した。出演料より先に、自分のキーボードを用意するお金がない。そう話すと、オーナーは購入費を立て替え、「出世払いでいい」と背中を押してくれた。そして、お金よりも時間の方が大切だと教えてくれた。経験できる今を先延ばしにしない。その言葉は、その後の人生で何度も私を動かすことになった。

学校生活と家の手伝いを両立しながら、休日にはライブへ向かった。忙しい毎日だったが、好きな音楽に向き合う時間は、いつも新しい力を与えてくれた。日々の役割と音楽へ注ぐ時間、そのどちらにも向き合う中で、卒業後は新しい環境へ踏み出し、自分の力で歩んでいきたいという思いが育っていった。ステージで歌うことは夢への挑戦であると同時に、自分の未来を自分で選ぶための一歩でもあった。

PHASE4 卒業から上京まで ― 新しい生活へ踏み出し、人に頼ることも前へ進む力だと知る

高校の卒業式の日、同級生たちが写真を撮り、別れを惜しむ中で、私は準備していた荷物を手に、新しい生活へ踏み出した。卒業という節目を迎え、これから自分の力で道をつくっていけることへの期待が膨らんでいた。すぐに東京へ行くのではなく、まずは地元で働いて資金を貯めようと考えた。音楽を続けながら将来の選択肢を広げるため、自立への準備を始めた。

東京へ先に出ていた、数少ない大切な友人と毎晩のように連絡を取った。「いくら貯まったら来るの。うちに泊まればいいから、早くおいで」と言ってくれた。その言葉を聞き、ライブハウスのオーナーから教わった、時間はお金以上に大切だという言葉がよみがえった。十分な準備が整う日を待つより、今ある助けを信じて動こう。19歳で山口を離れ、東京へ向かった。

上京後の3か月間は、その友人とパートナーの家で3人暮らしをした。家族のように迎え入れてくれた2人がいなければ、東京での一歩は踏み出せなかったと思う。何でも一人で背負うことが強さだと思っていた私に、人を頼り、差し出された手を受け取ることも、前へ進む力なのだと教えてくれた。音楽を通じて人と人を結ぶ今の仕事の前に、まず私自身が、人との縁によって救われていた。

PHASE5 20代 ― 軽く扱われ、迷い、それでも動くことで自分の輪郭を知る

上京後は別の芸能事務所にも所属したが、自分が納得できない業界の慣習に直面し、思い描いたように道が開けることはなかった。人脈も実績もなく、若い女性で個人として活動する私は、軽く扱われることも多かった。仕事につなげたい一心で足を運べば、出会う人が全員誠実とは限らない。誰を信じ、何を断るべきなのか、その基準さえ分からないところからの出発だった。

すぐに花開くタイプではない。自分はきっと遅咲きなのだと考え、20代は人と出会い、経験を蓄え、人生の土を耕す時間にしようと決めた。うまくいかない場所へ行ったからこそ、どの環境が自分に合い、何を大切にしたいのかが少しずつ分かってきた。過去の経験に裏打ちされた「何か違う」「この人とは進めそう」という感覚は、やがて自分を守り、道を選ぶ直感へ変わっていった。

行動すれば、望んだ結果にならなくても、必ず次の出会いや判断材料が残る。そう分かってから、「やらない」という選択肢は少しずつなくなった。断られても、自分から作品を届け、会いたい人へ会いに行く。20代は苦しく、何度も自分の価値が分からなくなった。それでも動き続けた時間が、他人の評価だけに頼らず、自分の軸で仕事を選ぶ力を育ててくれた。

PHASE6 日本酒との出会い ― 好きという衝動から、「日本酒シンガー」が生まれる

20代前半、ある日本酒のおいしさに感動し、その気持ちのまま1曲をつくった。依頼されたわけでも、紹介があったわけでもない。完成した音源を酒造会社へ直接送った。今振り返れば、よくそんな大胆なことができたと思う。それでも、「好きだから曲にしたい」「この思いを届けたい」という衝動に、損得を考える余地はなかった。作品は社内で聴かれ、年明けの新年会へ招かれて、楽曲を披露する機会を得た。

その一歩をきっかけに、さまざまな酒蔵と出会い、イメージソングを手がけるようになった。ある仕事のプレスリリースで、ライターが私を「日本酒シンガー」と紹介した。自分では思いつかなかった言葉だったが、音楽と日本酒を結ぶ活動を一言で伝えてくれる肩書きだと感じ、使わせてほしいとお願いした。公言するほど、ラジオ、イベント、司会など、新しい仕事が次々につながっていった。

最初は、好きな会社や日本酒の曲をつくれたらいいという純粋な思いだった。それが、酒蔵の歴史、造り手の情熱、土地の文化を、歌と声で次の人へ渡す役割へ育っていった。音楽は、商品を飾るだけのものではない。まだ知られていない背景を記憶に残る形へ変え、人と文化の間に新しい縁をつくることができる。自分のために歌ってきた音楽が、誰かの大切なものを社会へ届ける仕事になり始めた。

PHASE7 法人化への転機 ― スポットライトを追うより、音楽を一生続ける道を選ぶ

個人事業として約8年間、歌、楽曲制作、イベント、司会など、音楽に関わる仕事を広げてきた。一方で、日本で歌だけを歌って生活し、自分がスポットライトを浴び続けることの難しさも現実として見えてきた。夢をあきらめたわけではない。むしろ、死ぬまで音楽を続けたいからこそ、歌い手として評価されることだけに、自分の未来を預けてはいけないと思うようになった。

自分が歌うだけでなく、誰かへ曲を提供し、世の中の必要に音楽で応える道がある。企業や地域の話を聞き、まだ言葉になっていない思いを音と歌詞へ変える仕事に、強い手応えを感じた。企業のイメージソングやコマーシャルソングだけでなく、組織の一体感を高め、働く人の意欲や定着につながる音楽もつくれる。表現者としての感性を、社会の課題を解く力へ育てたいと考えた。

30代に入り、株式会社オトムスビを設立した。社名に込めたテーマは、人と人を結ぶこと。自分一人が輝く会社ではなく、音楽家、映像制作者、コンサルタント、企業や地域の人々を巻き込み、それぞれの力が重なる場所をつくりたかった。歌う人から、思いを聞き、仲間をつなぎ、作品が届く仕組みをつくる人へ。長く模索してきた経験が、音楽を持続可能な事業にする覚悟へ変わった。

PHASE8 現在・これから ― 人に救われた人生だから、音楽で新しい縁と景色をつくる

現在は、シンガーソングライターUinaとして歌いながら、企業や地域の楽曲制作、日本酒に関わるイベントや司会、音楽を用いた組織課題の解決など、声と音を軸に幅広く活動している。やりたいことを選んでも、その中には苦手な仕事や越えなければならない壁がある。それなら、心からやりたい世界の中で苦労し、その過程ごと成長へ変えていきたいと思っている。

10代も20代も、決して楽ではなかった。それでも振り返ると、苦しい時にはいつも誰かが手を差し伸べてくれた。東京へ呼んでくれた友人、時間の価値を教えてくれたライブハウスのオーナー、作品を受け取ってくれた人たち。私は、人に救われてきた人生だった。だからこそ、巻き込まれたいし、巻き込みたい。一人では見られない景色を、異なる力を持つ人たちと一緒につくることに喜びを感じる。

今は、安定だけを求めず、足元を確かめながら少しだけ背伸びをする、自分なりの進み方が見えてきた。これからは国内にとどまらず、海外も含め、まだ見たことのない仕事と景色へ向かいたい。何のために働くのかと問われれば、楽しく生きるためだと答える。まず自分の心に嘘がないかを問い、その喜びが周囲や社会への貢献にもつながる仕事を選ぶ。人の思いを音楽で結び、次の誰かへ渡していく旅を、これからも続けていく。

WORKS これまでの実績

株式会社オトムスビ 代表

アーティストUinaとして楽曲制作・ライブ活動

企業・商品・地域のブランドソング制作

シンガーソングライターとして他アーティストへ楽曲提供

日本酒と音楽を結ぶ文化発信

ラジオ、イベント、司会などメディア・ステージ活動

Private Q&A 一問一答
Q1. 人生で、大きな分岐点は何でしたか?

自分が表舞台に立つことだけを目標にするのではなく、企業や地域の想いを音楽に変える仕事へ可能性を感じたことです。表現者としての経験を、事業と社会の課題解決へつなげました。

Q2. あなたにとって仕事とは?

まず相手の言葉の奥にある願いや背景を丁寧に聞くことを大切にしています。音楽を飾りではなく、組織の理念を共有し、人の行動を生むコミュニケーションとして設計します。

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