未来へ正しく届ける
豊岡 舞子
toyooka maiko全国
全国
松阪牛発祥の地に残る希少な伝統牛舎と連携し、昔ながらの肥育技術で育てられた特産松阪牛を高級料理店やミシュラン星獲得店などへ届けています。値崩れや後継者不足で失われつつある技術に、正しい価値をつけ直す事業です。
骨格診断、パーソナルカラー、接客ロープレなどを活用し、商業施設・アパレル企業・一般企業向けの研修やイベント、商品監修を実施。服を選ぶ知識を、売上やコミュニケーション、ブランド価値向上につなげています。
高級商材の販売経験と、店長・事業責任者としての現場経験をもとに、スタッフ一人ひとりの強みや人生の目標に向き合うマネジメントを設計。数字だけを追うのではなく、人が自ら動きたくなるチームづくりを支援しています。
群馬県高崎市で育ち、父と母、妹との4人家族で過ごす。父は優しく、失敗しても「勉強になる」と受け止めてくれる存在。一方で、母は礼儀やしつけにとても厳しく、家庭には常に緊張感があった。
幼稚園の頃、「死んだら天国に行くのか」と母に聞いた時、「ないよ、無だよ」と返されたことが強く記憶に残っている。小さな心にとってそれは大きな衝撃で、「何のために生きるのか」「何のために努力するのか」を考え始める最初の哲学的な原体験になった。
子どもの頃から絵を描くことが好きで、一度描き始めると周囲が見えなくなるほど集中した。細かな人物をびっしり描くような絵を描き、出品した作品は中学3年生まで毎回のように賞に入った。学校では絵や習字のまわりに自然と人が集まることもあった。
一方で、母から褒められることは少なく、「もっとちゃんとしなければ生きていけない」という感覚を抱きながら育った。高校ではマーチングバンドのカラーガードに打ち込み、全国大会にも出場。厳しい環境を越える中で、後の仕事にもつながる集中力と根性が育っていった。
大学では中国哲学・文学を学ぶ。子どもの頃から考えていた「何のために生まれてきたのか」という問いは、進路を選ぶ上でも自然と哲学へつながっていった。
世界史にも強く惹かれ、高校時代には山川出版の世界史教科書を丸暗記するほど読み込んだ。縦の歴史と横の世界がつながる感覚から、「歴史の中の最先端を生きる」という言葉を自分の軸にするようになる。ファッションも食も伝統も、表面ではなく本質を見るという今の仕事観の土台は、この頃から形づくられていった。
新卒で、高級商材を扱う小売企業に入社。ウェディングドレス、着物、ジュエリーなど、人生の節目に関わる商材を販売する現場に立つ。最初は販売が天職だと思っていたわけではなく、むしろ苦しさを感じながらも、「なぜ売れなかったのか」を徹底的に考え、学び続けた。
ウェディングドレスの販売では、花嫁の生い立ちや憧れまで聞き、その人が本当に望んでいるものを言葉にしていく接客を実践。結果として、ウェディングドレス部門で売上全国1位を達成する。商品を売るのではなく、その人の人生に結びつく価値を届ける姿勢が、ここで磨かれていった。
20代は売上を強く追う店長として成果を出し、最優秀店舗賞や最優秀店長賞も受賞した。しかしその後、降格人事や人事評価の低下を経験し、生活面でも精神面でも大きな打撃を受ける。さらに子宮内膜症と子宮筋腫を併発し、立っているのもやっとと言われるほど体調も悪化した。
その絶望の中で、売上目標や個人売上をスタッフに言うことをやめた。代わりに、一人ひとりがどんな人生を送りたいのかを聞き、その夢に向けた計画を一緒に作った。スタッフが自発的に動き始め、「おしゃれミーティング」も広がり、年間6,000万円規模だった店舗は1億1,000万円規模へ成長。数字ではなく人に向き合うことが、結果として売上も組織も変えると実感する。
社員教育のために骨格診断やパーソナルカラーの理論を学び、販売力を高める研修として社内に取り入れる。商業施設でのイベントは行列ができるほど話題になり、全国の百貨店や催事場で骨格診断を活用した企画を展開。自身が単独で担当した催事売り場では、入店日の前年同日比で売上476.2%を記録し、社長賞も受賞した。
その後、コロナ禍でも社員が学び続けられる社内スクールを立ち上げ、人事評価制度とも連動。会社員でありながら、販売、教育、イベント、BtoB案件を横断する形で新しい仕事を作っていった。国内大手アパレル企業をはじめとした大手企業の案件にもつながり、社内の枠を越えて「価値を伝える仕組み」を広げていく。
2022年に独立。退職後も、取引先が会社ではなく個人へ直接依頼する形で仕事が広がり、株式会社Toyooka.としてファッション、研修、商品監修、イベント企画を展開するようになる。
著書の出版、メディア出演、企業研修、ライブコマース、教育現場での授業など、活動は少しずつ広がっていった。会社員時代に培った販売力や教育設計を土台に、「本当に価値あるものを、必要な人に正しく届ける」仕事を自分の事業として形にしていく。
ファッション領域で活動する中で、日本各地の職人や生産者に出会い、後継者不足や値崩れによって本物の技術が失われていく現実を知る。日本酒や食文化の発信にも関わる中で、「本当に良いものを、未来へ残したい」という思いはより強くなっていった。
2025年、松阪牛発祥の地に残る伝統牛舎と出会う。かつて50舎以上あったとされる牛の肥育に関わる牛舎が、今ではわずか4舎ほどにまで減っている現実を前に、株式会社福商を設立。伝説の肥育家の技術を受け継ぐ人々とともに、希少な特産松阪牛を高級料理店へ届けている。ファッションで培った「価値を見抜き、伝え、選ばれる形へ整える力」を、今度は日本の一次産業と伝統を未来へつなぐために注いでいる。
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